戻る

ECDラボ

消費者の印象を劇的に高める!ポスト購買エクスペリエンスの基本

April 11, 2021

このブログをご覧になられている皆様は「ポスト購買エクスペリエンス」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?Eコマースの拡大とともにWebマーケティングなど集客・販売につながる取り組みに注目する企業は増えていますが、実はそれと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのがお客様が購入した後のプロセスです。なぜなら購入ボタンをクリックした後の消費者はそれまでの「見込み客」から「近い将来再び商品を購入してくれるリピート顧客」や「あなたの会社や商品のファンになって家族やお友達に宣伝してくれるかもしれない大切な存在」になるからです。それが、なかなか商品が届かなかったり、商品到着後に使い方について問い合わせをしたくてもサポートが充実していなければ裏切られたという気持ちを抱くことになり、ファンを作るどころか2度と戻ってきてくれなくなる可能性が高まります。ポスト購買エクスペリエンスを制する者がカスタマーディスカバリーを制すると言っても過言ではありません。

ポスト購買エクスペリエンスには大きく4つの機能があります。

  1. 配送体験の最適化
  2. カスタマーサポート
  3. 返品、返金
  4. ロイヤリティプログラム

1. 配送体験の最適化

Eコマースの最大の弱点は購入したものがすぐに自分の手元に来ないことです。一方でお客様は購入ボタンをクリックしたその瞬間からその商品を自分のものと認識しますので、実際に手元に届くまでの体験の良し悪しは何よりも大切といえます。厳密に言うと配送体験は商品を購入する前から始まっています。例えばnarvarによれば消費者の60%は注文時に到着予定日を正確に提示する小売業者から商品を購入する傾向があります。そして出荷後は配送状況を通知したり、お客様自身がいつでも確認できるようにすることが求められています。また、受け取り方法をお客様が選択できるようにすることも重要です。特にアメリカではCurbside Pick Upと呼ばれる店舗の入り口または駐車場での商品ピックアップが非常に人気で、これらも含めた様々な受け取り方法に対応することは顧客満足度の向上に大きく貢献します。

2. カスタマーサポート

商品が手元に届いた後、使用方法が分からなかったり、部品が足りなかったりすることほどストレスを感じることはありません。カスタマーサポートはそれらのストレスを取り除き、お客様がスムーズに商品を使用し始めることができるようにする大切な機能です。カスタマーサポートというと一般的には電話やメール、チャット等による問い合わせ窓口をイメージされると思いますが、それに加えてWeb上に使用方法のガイド動画を掲載したり、到着後に使用に際して困ったことがないかフォローアップのメールを送るといったことも広義のカスタマーサポートと言うことができます。

3. 返品・返金

日本とアメリカのポスト購買エクスペリエンスで最も大きく異なるのが返品・返金です。アメリカでは購入された商品の20%(ホリデーシーズンは30%)が返品されたり、返金を要求されたりします。お客様が返品や返金を要求する段階ですでに何らかのネガティブな事象が発生しているケースが多く、ここでいかにリカバリーショットを打てるかが非常に重要になってきます。具体的には、店頭での返品を含めお客様の選択肢を増やしたり、郵送による返品を簡単に行えるようにしたり、返金条件を明示したりするなど簡便性と透明性がポイントになります。

4. ロイヤリティプログラム

これはマーケティングの世界では有名な話ですが、新規顧客を獲得するのにかかるコストは既存顧客にリピート購入していただく際に必要なコストの5倍と言われています。つまり同じマーケティングコストを既存顧客に投資すれば売上は5倍になる可能性があります!そして、既存顧客をあなたの企業のファンにするために欠かせないのがロイヤリティプログラムです。これには会員限定の特別販売や割引など、特別待遇や金銭的なメリットも当然含まれますが、近年アメリカではお客様にブランドの存在価値を伝え、その価値を実現する一端をお客様に担っていただくという感情的な報酬をロイヤリティプログラムに組み込む企業も増えてきています。

ポスト購買エクスペリエンスと一口に言ってもその機能は幅広く、またその一つ一つが非常に重要だということを感じていただけましたでしょうか?ポスト購買エクスペリエンスの強化・改善はある意味最も効率よく売り上げを増やす方法と言えます。ぜひこれを機に自社のポスト購買エクスペリエンスを再点検してみてください。

 

ECDアカデミーでは、ポスト購買エクスペリエンスについて具体的な企業の事例や、アメリカの消費者に支持される仕組みづくりをサポートする各種ソリューションのご紹介など実践力を高めるプログラムをご用意しています。ご興味のある方は、詳しいカリキュラム内容をご案内しますのでこちらからご連絡ください。

ECDとは?