ECDラボ
顧客体験とブランド・ロイヤルティに違いをもたらすサステナビリティ
世界中の情報が簡単に手に入る現代、消費者はこれまで以上に知識を深め、どの企業が社会的に良い影響を与えているか、そしてどの企業をボイコットすべきか注意深く見極めています。ミレニアル世代やZ世代を中心とした顧客は、自分たちの価値観と合う企業から買い物をすることを選ぶため、サステナビリティへの取り組みは今や不可欠とされています。
Forbesでは「Apple、Dell、Amazon、Googleといった大手ハイテク企業は、昨年、二酸化炭素排出量の削減やその他サステナビリティへの取り組みを行うと公言しました。また、他の消費財メーカーも同様の誓約をしています。たとえ規模が小さくても、これらの目標開示が顧客体験とブランド・ロイヤルティに違いをもたらすことは、調査で明らかになっている」と伝えています。
そんな中、消費者は企業が組織としての取り組みだけに注力するだけでなく、一個人としても身近に行動ができるような手助けをしてほしいと考えています。企業はこのニーズをしっかりと理解し、企業の取り組みを消費者に伝えるために日々対策を模索・実行しています。サステナビリティへの取り組みを自社の提供価値の一部として実現している、REBBLやSeedといった消費者直販のD2C企業は、自社のサステナビリティに関するミッション、戦略、目標を強調した特設ウェブページを作成しています。
消費者には、企業の透明性やサステナビリティに対する取り組みを具体的な事例として見てもらう必要があります。例えば、植物由来のボタニカル飲料メーカーのREBBLは、プレスリリースを発表すると共に気候変動対策用にウェブページを作成し、行動指向型のコミュニティの中でもリーダーシップを発揮しながら、気候にポジティブな影響を与える取り組みを紹介しています。
また、REBBLは「Impact Blog」と名付けたブログをWebページのメインメニュー内にもリンクさせました。このブログでは、REBLの環境に配慮したパッケージングへの取り組みを消費者に伝えるために、REBBLが100%リサイクル素材のパッケージへ完全移行するまでの道のりを紹介しています。"年間2000万本のREBBLのボトルを再生プラスチックに切り替えることで、温室効果ガスの排出を922トンの二酸化炭素で削減できる可能性があり、これは1年間で米国の森林1,086エーカー分の環境保全に相当します。"というように、再生材への切り替えによるメリットを、具体的な例や参照値を交えながら紹介しています。
REBBLは、商品のボトルが100%リサイクル素材に移行したことを伝えるだけでなく、環境に配慮した梱包材の移行も意識しています。REBBLの場合は、配送用の段ボール箱やラベルを土に還る生分解性のものにしたり、リサイクル可能なものにしたりしています。次のステップとして、REBBLでは生分解性のアイスパックに転換することで、植物を植えて25%成長させることができることを強調しました。
このようにサステナビリティは、単にマーケティングの一環として「あったらより良い」というだけではありません。消費者から支持を得たいのであれば、サステナビリティへの取り組みは必要不可欠です。よりグリーンな企業になるためには環境に優しいパッケージへの移行だけでなく、収益の環境保全団体への寄付、会社運営の変更、同様の取り組みを実践する団体との連携など、他にもさまざまな方法を経営に取り入れなければなりません。このような取り組みに対する具体的な指標(KPI)や透明性を示しながら、明確かつ実行可能な方法でグリーンイニシアチブに向けた企業の取り組みを、社会に情報開示しながら進めることが必要です。「買い物は投票」と言われるように、消費者は自分の消費行動によって意思表示をしているのです。ミレニアル世代やZ世代を中心としたサステナビリティに対する意識改革が進む中で、このような消費者ニーズに応える特設ページといったプラットフォームを提供することがとても大切です。
ECDアカデミーでは、御社がアメリカの消費者に支持される仕組みづくりをサポートするために、具体的な企業のケーススタディや様々なソリューションを含めて、顧客ディスカバリープロセスを評価・改善するためのプログラムをご用意しています。本プログラムにご興味をお持ちの方は、カリキュラムの詳細などをこちらからお問い合わせください。