ECDラボ
マーケターが進出すべき、Z世代のたまり場
Z世代へどのようにアプローチすれば良いか、それはマーケターの方々にとって大きな悩みではないでしょうか。最近ではSNS離れという言葉も目にすることが増えましたが、実際に1997年以降に生まれたZ世代は、若いミレニアム世代のたまり場であるSNSよりも閉鎖的でインタラクティブな空間のプラットフォームを好む傾向があります。他者からの「評価」を気にせざるを得ないSNSですが、Z世代の彼らは「より自分らしくいたい」「本物の友達がほしい」といった価値観を持っており、SNSから次第に距離を置いています。
それでは、このようなZ世代にリーチするためにはどうすれば良いのでしょうか。今回は従来のSNSよりも閉鎖的でインタラクティブなプラットフォームを通してリーチしている事例を紹介します。
Fortniteは、アメリカにあるEpic Gamesが2017年にリリースしたオンラインゲームです。WindowsPCからPlayStationやXboxといった家庭用ゲーム端末、そしてAndroid端末まで、異なるプラットフォーム間でも協力プレイができることが大きな特徴です。Fortniteの登録アカウント数は3億5,000万程もある上、コアのユーザー層は14歳から24歳であり、まさにZ世代に愛される巨大なプラットフォームとも言えます。この大規模なプラットフォームをZ世代へのマーケティングの場として利用したのがNikeです。Fortnite内で存在するアバターの衣装としてNikeはジョーダンブランドを販売しました。売り込まれる感覚を嫌うZ世代に対して、広告感を最小限に抑えながらも、実際のデザインを見てもらい彼らの購買意欲を掻き立てることができた良い事例です。
2011年にローンチされ、2014年にAmazonに買収されたTwitchは、ゲームを中心に音楽や美容など様々なトピックでライブ配信ができる、Z世代に人気なプラットフォームです。毎月700万人以上がライブ配信をし、1日あたり3,000万人以上がアクセスします。このプラットフォームにユニークな仕掛けをしたのがピザハットです。Twitch内で有名なゲーマーを集めて、ピザをテーマにしたチャレンジで競い合う「FridayNight Bites」シリーズを数週間にわたって開催しました。ピザハットのピザを食べながらゲームをするゲーマーの姿が配信されており、日常的な一瞬をうまく広告に取り入れているこのシリーズは、100万人以上のライブ視聴者を集めました。
言わずもがなZ世代に大人気のTikTokですが、15秒から1分ほどの短い動画を作成して投稿できるプラットフォームです。150年の歴史を持つマットレスブランドSimmonsは、パンデミックの最中に「#snoozzzapalooza」というハッシュタグチャレンジを開始しました。このチャレンジでは、ユーザーにベッドをステージに見立ててもらい、そこにステージダイブしてもらうというものです。100万人以上がこのハッシュタグで動画を作成し、60億回以上再生された結果、Simmonsのウェブサイトへのアクセスが104%も増加しました。一見、Z世代とは親和性が低そうに見えるブランドにおいても、このようなプラットフォームを活用することで効果的にリーチすることができるのです。
今回は3つの事例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今後検討が必須となるZ世代へのアプローチについてぜひこれを機に考えてみてください。ECDアカデミーでは、Z世代のみならず様々なオーディエンスに対するマーケティング手法について、具体的な企業の事例や、各種ソリューションのご紹介など実践力を高めるプログラムをご用意しています。本プログラムにご興味をお持ちの方は、カリキュラムの詳細などをこちらからお問い合わせください。