戻る

ECDラボ

多様な消費者ニーズをキャッチする!セグメンテーションの4タイプ

June 13, 2021

自社商品の販売戦略を立てるにあたり通らざるを得ないステップである「セグメンテーション」。ターゲット層を見極めるために年齢・趣向など特定の属性に沿って細分化する方法です。これまでテレビや雑誌に代表されるマスマーケティングが主流でしたが、昨今はSNSの台頭により、ターゲット層を細分化することが可能になっています。

1. デモグラフィック・セグメンテーション(人口動態変数)

情報収集は他のタイプよりも容易なため最も一般的なセグメンテーションで、年齢や性別など顧客の基本情報をもとに細分化するタイプです。
例)年齢、性別、職業、収入、配偶者の有無、家族構成、人種、宗教など

2. ジオグラフィック・セグメンテーション(地理的変数)

顧客の物理的な場所に基づき分類化されます。フードデリバリーや空調の修理サービスなど物理的なやりとりが発生するビジネスにおいて効果的です。
例)国・地域・都市の規模、経済の発展度合、人口密度、気候、政策や条約など

3. ビヘイビラル・セグメンテーション(行動変数)

商品に対する顧客の知識・態度などで顧客を分類するタイプです。ITの普及やオンライン販売の増加により測定が容易になり、近年重視されるようになりました。
例)購買のタイミング、経路、頻度、過去の購買状況など

4. サイコグラフィック・セグメンテーション(心理的変数)

内面的または質的な特徴に焦点を当てたものです。高い効果が得られますが、深い分析が必要となります。
例)習慣、価値観、ライフスタイル、趣味、興味、社会的地位など


それでは、4つのセグメンテーションの中でも的確なターゲティングができ高い効果を得られる「サイコグラフィック・セグメンテーション」の事例を3つ紹介します。



Starbucks − 習慣軸(コーヒーを飲む/飲まない)

Starbucksはコーヒーを中心に販売していますが、ご存知の通りコーヒーを飲まない顧客層に対してもファンを抱えています。これら2枚のポスターはそれぞれ異なるセグメントに対して打ち出しています。左は、「コーヒーは飲まないが社交的な顧客」(フラペチーノの購入者でStarbucksを交流の場として利用)、一方で右は、「本格的にコーヒーを飲む顧客」(高所得者で最高品質のコーヒー豆の購入者)に対してアピールしています。

Photo credit: Starbucks


Patagonia −  価値観軸(環境への配慮/意識)

Patagoniaは登山用品を中心に展開するアウトドア衣装品ブランドです。彼らは「環境意識が高いアウトドア愛好家」をターゲットとしており、その顧客層にリーチするために様々な活動を行っています。例えば、2019年の気候変動ストライキを支援するため、「Facing extinction」というキャンペーンを発表し、ストライキの一環として店舗の営業をストップさせました。一見、売上がマイナスになるような大胆な行動に見えますが、環境意識が高い顧客層を逃さないためには必須なアクションだったのではないでしょうか。

Photo credit: Patagonia

Fred Perry −  ライフスタイル軸(多忙なメンズニューヨーカー)

Fred Perryは、ロゴ入りのポロシャツを始めとしたクラシカルなメンズファッションブランドです。「忙しいニューヨークの男性」をターゲットに、ニューヨークでポップアップストアを開催しました。販売に先立ち配信したメールでは、多忙な人の頭の中にも情報が残るように非常にシンプルになっています。写真は代表商品であるポロシャツのみで無駄なものがなく、瞬時にFred Perryからのメールだと判断がつくようになっており、ポップアップストアの住所と日時も一目で分かるように記載されています。

Photo Credit: Fred Perry

今回は4つのセグメンテーションとその内のサイコグラフィック・セグメンテーションの事例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ぜひこれを機に様々な軸でセグメンテーションを検討してみてください。ECDアカデミーでは、セグメンテーションのみならず様々なマーケティング手法について、具体的な企業の事例や、各種ソリューションのご紹介など実践力を高めるプログラムをご用意しています。本プログラムにご興味をお持ちの方は、カリキュラムの詳細などをこちらからお問い合わせください。

ECDとは?